2012年6月15日金曜日

鉛筆書き。

僕が冬を過ごしたのは奥多摩の「七ツ石小屋」だった。




標高1596m。
豊富な湧き水と富士山がよく見えることで知られている、隠れ家的な小屋だった。
薪ストーブでご飯を炊いて暮らした。


テンの足跡。
動物はたくさん来た。
足跡は見られたが、冬の間に姿を見る事はとうとうできなかった。


12月、着いて早々カメラが故障した。低温で湿気が内部で凍りついたためだ。

上の写真は携帯のカメラだけど、雲や天体の写真を撮るには性能が低い。

そこでスケッチをしようと決めた。





小屋は実際傾いている。さすがにこんなにではないが…
同じ鉛筆で描くと、自然物と人工物の境目が曖昧になるのが不思議だ。


雲の記録はたくさんとった。
ついでに毎朝のラジオで天気図を描いた。
それで何が解ったかといえば…何が解っていないかがようやく解ったというか…
例えば雲が目に見えるという事自体そんなに自明のことではないし、白い雲と灰色の雲の違いも何なのだろう…波状雲もきれいな正弦波では決してないし…そんな事を答えを出すでもなく、もにょもにょと考えて過ごしていた。


植物。


オカリナ。
小屋の奥から発掘したもの。結構良い音が出た。
もののけ姫を吹いたら風景と合っていて楽しかった。
ミスチル吹いたら笑えた。



奥多摩編が終わり、休学は終わりに近づいてきた。
もうあのような時間の使い方はできないだろう。ある程度具体的に過ごさなければ…。あのとき芽生えたものがあるならば、どんなに小さくともそれを育てていかなければ。一番の根っこにあるべきものを大切に持って…。


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